「洋紙と用紙」第29回「トイレットペーパーとティッシュペーパーの違い」

洋紙の分類によると双方とも「衛生用紙」に属しています。衛生用紙とは、ティッシュペーパー、ちり紙、トイレットペーパー、生理用紙、タオル用紙、その他衛生用紙などを総称したものです。

トイレットペーパーとティッシュペーパーは、同類ではありますが同質ではないため、統計的にもそれぞれが独立した存在となっています。違いの特徴をあげてみました。

 トイレットペーパー

ちり紙を平判に仕上げると京花紙、白ちり紙、黒ちり紙となり、ロールに仕上げるとトイレットペーパーとなるのが、大きな分け方です。そこで、トイレットペーパーですが、原料によってさらに二つに分かれます。

一つは、木材パルプを原料とした製品で、通常「バージンパルプ使用」などといわれているもの。木材パルプでは、晒亜硫酸パルプとレーヨンパルプ格下品がもっとも適しており、ついで晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプとされます。原料などの関係からメーカーは大手製紙会社になります。

 (注) 2019年現在では、クラフトパルプが主流です。

もう一方は、古紙を原料とした製品です。こちらは、原料に色上古紙、色模造などを使用しており、おもに中小メーカーで生産されています。つまり、再生紙です。

トイレットペーパーの品質は、JISによると「衛生的で適度の柔軟性を有し、水にほぐれやすく、すきむら、破れ、穴など使用上の欠点がなく」とされています。

紙幅は114㎜。この寸法は、トイレットペーパーを日本で生産するために最初に導入した加工機の規格寸法が、4.5インチであったところからきており、それが定着して現在に至っているものです。

巻いてある紙の長さは、27.5、32.5、55、65、75、100mの6種類があります。

巻き方には2枚以上重ねてあるものもあり、それらは「△枚重ね○m」と実際に使用できる長さを表示していますから、包装紙をみて好みの商品を選ぶことができます。

(注) 2019年現在では、上記の規格、以外の長さのトイレットペーパーも流通しています。

この項続く

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