第13回「洋紙の売買によく使われる単価(その1)」
洋紙の売買は重量を基本とした「重量建て(キロ建て)」価格制をとっていますが、一部に「連(枚)建て」価格も併用しています。この項では、日頃よく使われる単価の使い分けについて紹介します。
キロ建て(重量建て)価格=キログラム単価
最も多く使用される価格形態です。
紙の重量をキログラムであらわし、その重量に1kg当たりの用紙単価を掛けて価格を計算します。上質紙やコート紙などのように連量が明確で、多量に荷動きする商品のほとんどはこの方法です。計算では、連量に連数を掛けて総重量を出し、総重量にkg単価を掛けて総額を出します。
連建て価格=枚(連)別単価
先のキロ建て価格が重量を基本にしているのに対し、こちらは面積と厚さ、および枚数の多少を基準にしています。連建てをつきつめれば枚別にもなります。
連建てで販売されている主な品種には、新聞用紙、ノーカーボン紙、色上質紙、複写用紙、ファンシーペーパー、薄口模造紙などがあります。新聞用紙は連建て価格1本でスッキリしています。新聞用紙以外の品種は小口販売も多いことから、卸商段階では連建て単価のなかに「包単価」や「端数単価」という連建て価格を細分化した価格体系をとっています。なお、卸商と需要家の間は連建てであっても、メーカー・代理店・卸商間はキロ建てになっている品種もあります。
現在、連建てで販売されている製品は限られますが、1988年に改めて「重量建て」から「連建て」価格への移行問題が検討されました。重量建てにかわって連建て価格を主流に、ということですが、移行にはまだ解決しなければならない問題点もあり、引続き検討されていくようです※。
(※注 2016年の現在も、連建て価格への移行は進んでいません。)
つぎに、連建て関連単価として、「枚別単価」および「連単価」の内容について述べておきます。
①枚別単価
紙1枚当たりの単価のことで、あとで述べる「端数単価」とは意味を異にします。
枚別単価は、「この紙1枚いくら?」といった用紙原価を割り出すときなどけっこう必要とします。つまり、紙を実際に使うときに必要なのは、重量よりも面積であり、枚となるからです。
枚別単価の計算方法
★キロ建て単価から計算する方法
重量×1kg単価で1連あたりの価格を出す。それを1,000(枚)で割る。
★連建て単価から計算する方法
連単価を1,000(枚)で割る。
(続きは、来月掲載します)