第11回「洋紙の取り扱いによく出てくる単位(その2)」

紙を取り扱ううえで常に出てくる単位が「連」です。JISでは「紙および板紙の取引上の一単位」と簡潔に説明しています。それだけでは分かりにくいので、少し書き加えてみました。

最初に洋紙から。

「1連」という場合、平判は規格寸法に仕上げた紙1000枚を、巻取紙では規格寸法の紙1000枚をさします。つまり、「連」とは1000枚を一括して表す単位です。

洋紙は量産が本命ですから、流通で取り扱う量も少量から多量までさまざまです。数え方も、少量なら「枚」ですみますが、何万枚、何十万枚となると「枚」だけでは処理が大変です。そこで「連」という単位が必要になってきます。

連という単位の使い方では、1000枚を1連、500枚を0.5連、3750枚を3.75連というようにまとめ、1000枚以下の場合は小数点をつけます。

連の書き方では、漢字のかわりに「R」を用いることもあります。横書きの文章や計算書によく使われます。ただし、「R」と書いても読み方は「れん」です。

例外もあります。同じ1000枚でもB4やA4などには連を使いません。通常は「しめ」を使い、書くときは「〆」または「締」を用いています。

つぎは、板紙です。

板紙の連は少し違います。「ボード」を加えて「ボード連」といいます。これは、板紙の対応英語であるboard またはpaper board からきたものです。書き方としては「ボード連」ですが、略して「BR」というように使います。

洋紙は1000枚で1連ですが、板紙は厚いので100枚を1連としています。

ここで気をつけたいのは、板紙が100枚を単位としていること。そして単位のつけ方を間違わないことです。勘違いすると、取引量の数字が一桁違ってきます。

連量

連量は、洋紙独特の重量表示方法として常時使われます。説明を分けてみました。

連量とは

規格寸法に仕上げた用紙1000枚を1連といい、その1連の重量を「連量」といいます。あくまで1連の重量です。板紙は100枚の重量。単位はキログラム(kg)です。

連量のもつ意味

連量は、重量を表すとともに、その紙の厚さなどを判断する目安ともなっています。連量の言い間違いは、別の紙を指定したほどの意味を持ちますから、とくに気をつけねばなりません。

連量は重量の基礎数字

連量は、紙の重量計算になくてはならない基礎単位です。洋紙の販売の多くは重量でおこなわれます。「連量×数量=重量」と計算し、重さはキログラムであらわします。洋紙単価の主たるものはキロ建て制ですから、重量は価格計算の根拠になります。そのほか、重量は配送料、倉敷料などの基礎概念にもなっています。

坪量と連量の関連

簡略化すると、一定坪量の紙を大きい寸法(面積)に仕上げれば連量は重くなり、小さい寸法(面積)に仕上げれば軽くなるという関係にあります。

読み方

連量の読み方では、「55キログラム」あるいは「55キロ連」というのが正しいのですが、通常は単に「55キロ」と略して使います。書類に表す場合など、銘柄・寸法・連量・数量の順に書きます。書き順として、寸法のつぎに連量の「55キロ」がきていますが、こうした順序は注文の紙を具体的に指定していく上でも大切なことです。

連量の表示方法

洋紙は♢の中に連量の数字を入れ、板紙は△の中に数字を入れて連量表示とします。たとえば、連量が70kgのときは<70>と書きます。小数点以下の数字囲みの外、右上に書きます。小数点以下の数字は囲みの外、右上に書きます。たとえば、<93>5というように。

★約束ごと……連量計算上発生する端数は、紙・板紙とも小数点第1位を二捨三入、七捨八入して0.5単位にとどめる。

(つづきは、その3として来月掲載いたします)

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