第14回「洋紙の売買によく使われる単価(その2)」

(前回のつづき)

②連単価

連単価

連そのものの単価を「連単価」といい、1連が単価の基準です。紙を使ううえで、原価を計算しやすいなどの便利さがあります。

連単価の説明上、品種を新聞用紙とその他の用紙に分け使用例をあげてみます。

★新聞用紙……新聞用紙は、メーカーから最終需要家である新聞社まで、一貫して連単価をとっています。規格の統一など好条件がそろっていることも、連建て制を実施しやすくしています。新聞用紙の連単価は、規格寸法の「813㎜×546㎜」の面積を基準にして設定されます。あとは、連量は品質の等級などによって、単価がスライドするようになっています。

★ほかの用紙の連単価……こちらは、同じ連単価でも新聞用紙以外に用いられる例で、主に色上質紙やファンシーペーパーなどによく使われています。この単価は、1連以上の取引に適用され、1連以下の場合は包単価、端数単価が用いられます。小口取引の多い商品の場合、1,000枚以上まとまると包みをほどく手間もはぶけるうえ、売上も上がります。こうした場合に使われる連単価の意味合いは、連以下の取引に対しサービス価格になっていることにあります。単価の設定は、1連当たり1万2,300円というように紙1連にたいして値付けされます。

包単価

1連以下包以上の取引に使用され、1包を最低取引単位として設定した値段です。包単価の使い方は、1包の値段ではなく、1枚当たり即ち枚別単価で表します。

連単価がサービス価格であるとすれば、包単価は連単価に比べて多少割高になりますが、端数単価に比べれば割安な設定となっています。

ファンシーペーパーなどは1,000枚以下の取引が多いといわれます。つまり、包の単位が取引の主流ということになります。そうした場合、考え方によっては包単価が実質的な通常価格ということができます。その評価は需要家の判断によるところですが。

包単価は、洋紙を経済的に使用するうえでも、大いに活用されています。

端数単価

包以下の数を「端数」といい、端数の販売に用いられる単価を「端数単価」といいます。

紙は、一度包装紙をほどいてしまうと、気をつけていてもロスが発生しやすくなります。また、包を割った場合、売れたほうは良いとしても、残ったほうはややもするとそのまま売れ残って、商品価値をなくさないともかぎりません。そうしたこともあって、端数単価は連単価や包単価に比べるとどうしても割高になります。

しかし、紙を必要最小限の枚数だけ取り揃えたいという場合、包で買うより単価的に多少割高ではあっても、余分な紙を買わなくてよいなど節約上の利点があります。

(つづきは、来月掲載いたします)

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