第15回「洋紙の売買によく使われる単価(その3)」

前回のつづき)

その他の単価

これまで、基本的な価格体系の重量建て制、連建て制の単価についてふれてきましたが、単価の最後に少し特殊になりますが、「本単価」と「平方メートル単価」を加えておきます。

本単価

小巻にした紙1本の単価。紙クロスなどはその一例です。

平方メートル単価

1平方メートル(1㎡)当たりの面積を基準にした単価で、1㎡当たりの枚別単価が用いられます。使用例に合成紙があります。単価は1㎡当たりでも、実際の取引はA判や四六判になりますから、平方メートル単価を各判に換算し、枚別単価として運用しています。

「格差」について

これまでは単価の使い分けについて述べてきましたが、単価に付随するものとして「格差」というものがあり、それを最後に述べます。格差を加えてはじめて正確な単価になるといえます。

洋紙・板紙の販売には、「厚薄格差」という調整価格がついてまわります。厚薄格差とは、「厚物格差」と「薄物格差」をいいます。生産性の低い製品に課せられたもので、対象となる製品の単価に一定額をプラスする方法がとられています。連建て価格には、すでに吸収されているので改めて課せられませんが、重量建て価格には厚薄格差がつきます。

★厚物格差……同一品種のうち坪量の多い製品に課せられたもの。

★薄物格差……同一品種のうち坪量の少ない製品に課せられたもの。


 

厚薄格差適用範囲の例

薄物格差
上質紙 52.3g/㎡、64g/㎡・四六判換算で<45><55> 12円、5円
中質紙 52.3g/㎡、54.2g/㎡・四六判・B判換算で<45> 双方5円
コート紙 73.3g/㎡、79.1g/㎡・四六判換算で<63><68> 10円、5円
アート紙 79.1g/㎡・四六判換算で<68> 5円
厚物格差
上質紙 209.3g/㎡・四六判換算で<180> 5円

以下略


 

よく使われる例を示してみましたが、それ以外にも適用されています。よりくわしくは、日本洋紙板紙卸商業組合が発行している紙商用の手帳・通称『紙の手帳』を参照していただければ、と思います。

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